自作木製カヤック

出会いは20年前。

 

木製カヤックとの出会いは20年前。

子供が通う保育園の園長夫婦が子供達と水遊びをする為にアメリカから取り寄せたキットカヤックで自作カヤックの世界を知った。

興味を持ってしまったらもう仕方ない。手が勝手に動いてしまう。

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アメリカの東海岸に多数存在する木製カヤックメーカー。タイプや規模も様々で、園長夫婦が入手したのは合板製のエントリーモデルに位置するタイプ。

これは20枚程のプレカットされた合板を並べて接合していくと船の形になってしまうもの。

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誰でも短時間で実用に堪えるカヤックが作れるのと軽量で丈夫なことが多くの人に受け入れられている理由。

しかし、キットを組み立てるだけではつまらない。設計からしなくては!。

wooden kayak plans freeと検索すると木製カヤックの図面がいくらでも手に入る。サイズや形状が様々あるのは船の性格が様々あるからと気づく。ストレートが速いタイプ、旋回が得意なタイプ、高波に対応しているタイプ等々。

 

模型から。

 

取りあえずチークの突き板で1/10スケールのモデルを作ってバスタブで性能の確認をしてみたり。笑

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長さ50cm幅6.2cmの船体はバスタブ内を滑らかに滑る様に真っ直ぐ進んだ。

これをベースに設計を詰める。しかし作りたいのは合板のタイプではない。細く割いた木の板を曲面で組み上げていく"Strip-Build"というタイプ。これに関しても図面だけでなくキットの販売もされているが、せっかく会社に木工機械が揃っているのだから製材からすることにした。

 

製作開始。

 

材料は垂木を裂いて使うことにした。45mm角の材料を22mmx3mmサイズに昇降盤で裂いていくのはなかなか時間のかかる作業。

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図面を元に30cm間隔の断面図を作り、背骨を基準に各断面を並べて固定していく。

これに垂木を裂いた薄い板を隣同士糊付けしながら骨にタッカーで打ち付ける。

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タッカーは骨から外す際に抜き易いように梱包用PPテープ越しに打ち、PPテープを引っ張るとタッカーの芯がまとめて抜ける様にした。

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下半分と上半分に別れる様に作り、型となる背骨を抜いてからモナカの要領で上下合わせてFRPで固める。

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先端は強度を持たせる為にローズウッドを薄く裂いて成型合板の要領で船首のカーブに合う形を作った。

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ガラスクロスは2プライ。木目が良く見える。FRPの材料はアメリカから取り寄せた。

いつも使い慣れている物でも問題は無いだろうが、船舶用FRPなる物が売っていたので一応念のため。

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ロープを掛けるフック部は木のブロックにカップ状の穴を掘って、竹の丸棒を貫通させてエポキシで固めて作った。

コーミング部は米松の厚版をコクピット開口寸法に合わせ、楕円形に接ぎ合わせてからカンナで削りだして作り接着後FRPで覆った。

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こうして出来上がったカヤックは”みなとみらい”の湾内を散歩する程度にしか使っていない。結局作るのが好きなんだなぁ。

十数年前、アストンマーチンDB9がインテリアのウッドパネル部のバリエーションに竹を加えたのを見て「次のカヤックは竹で作るぞ!」と思ったものの、5艇ほど設計はしたが製作には至っていない。

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