バイクカスタムのコスト・・・2
コンセプト決定!。
ラスペネ噴射の甲斐もなく、生きているボルト・ナットなど結局ほとんど存在せず
ディスクサンダーで頭を飛ばすかスパナで回して頭がネジ切れるかという状態。
まぁ予想通り。想定外だったのは、これでもか!と出てくるネズミが溜め込んだ新聞紙のクズ。その他は蜂の巣数カ所、クモの卵に蛇の卵!。
それでも順調に?作業は進み無事プレスフレームを取り出しサビ取り開始。
ディスクサンダー、ホイールブラシ、カップブラシ・・・様々な文明の利器を動員し地金まで磨いてみる。
この状態になって気がついた。サイドカバーをどうするか?。
とりあえず作業場にあった銅板を切り出しあてがうことに。ただこのフレームに真新しい銅板は合わない。柔な銅板に張りを出すのとテクスチャーを加えるためにドーム状の叩きを入れた。
本業は住宅/店舗のデザイン・設計で、それに付随する家具・什器の図まで描いている。しかしながら肝心な”味”を図面化することは不可能で、拘りたい部分は自ら手を出す。
例えば、アパレルショップの扉に貼る真鍮板をトーチで炙りながら叩き、薬品で黒く酸化させた後に触りそうな部分を磨いてグラデーションをつける。
打ち付ける鍛造の釘をラフに配置するなんて事は図面や口頭で伝わるものじゃない。
話戻って、叩き込みを加えた銅板を置き、地金の輝きと腐食で痘痕に成った部分のコントラストが美しいフレームに暫し見とれて思った。
「なんかこの感じ見覚えがある。」伝達スピードの衰え著しいシナプスをフル回転させ記憶の彼方から引っ張り出してきたイメージは”プレートアーマー”(Plate Armor)。
つまり中世の騎士とその馬が全身に装甲していた板金鎧。
「これだ!。これこそまさに鉄馬!。騎士の気高さを表現してやろう。」
これが方向性の鍵となった。
プレートアーマーがイメージの出発点にはなったが、あくまでもマシンを作るわけで頑なに追っかけても意味がない。しかし出口は簡単に見つかった。
その出口とはズバリ”スチームパンク”。
19世紀のScientific Romance(科学ロマンス)から進化したスチームパンクの手法で中世の騎士と内燃機を結んでやろう。と。
これで基本コンセプトは決まった。